ただいま

先日、約3か月ぶりに楽団に復帰した。
1月の演奏会を終えてから、体もココロも何だかうまくいかなくて、
「これはイカンなぁ・・・」と思った応急処置的なお休みだった。

高校から大学、社会人になってずーーーーーーーっと切れ目無く吹奏楽に携わってきて、
入院した1ヶ月くらいかなぁ、楽器吹くのお休みしたの。

微妙な年齢の幕開けっていうのもあったし(誕生月の情緒不安定ぶりは半端なかったし)
顎関節症がちっともよくならないのもあったし
楽団の出席が暗黙の内に義務化、
というか趣味なのに仕事みたいに思えてきて嫌気が差したのもあったけど


一番の理由はクラリネットへのモチベーションがどうにもこうにも保てない事だった。


元々始めた当初から、好きな楽器じゃなかった。
本当はサックスがやりたかったのに、私の入学した同期の中でやたら人気で、
話し合いしても誰一人身を引こうとしなかったから、仕方なく私が諦めたら残った楽器はクラリネットとパーカッションで。

せっかくの吹奏楽だってのに打楽器かよ・・・(全国の打楽器奏者の皆さんごめんなさい)

というのもあって、クラリネットを始めることになったわけだが、如何せんこの楽器は地味である。

オーケストラで言うバイオリンの役目=大勢いてナンボ

もしもクイズ100人に聞きましたで街頭インタビューしたら、

クラリネット=パパの大好きな楽器でドとレとミとファとソとラとシの音が出ない楽器

があるあるあるーで大多数を占めるであろう、びみょーに地味な楽器。

深くて優しい音色ではあるけれど、イマイチ華が無いというか・・・(全国のクラリネット奏者の皆さんごめんなさい)

それでもずっと続けてきたのは、周りの仲間が変な人ばっかりだったからだ。

楽器吹きには変人が多いとよく言うけれど、私自身も例に漏れず、高校・大学・一般バンドと
仲良くなる人たちは皆一癖も二癖もあるおもろい人間ばっかりで。

なーんか居心地よかったんだよね。変な人たちに囲まれてワイワイやってるのが。
多分、それが今までずっと楽器をやめなかった最大の理由。


だけど、昔の仲間達は楽器を辞めて、新しい生活を始めていて。
何だか置いてけぼりをくらってしまったような気持ちがここ数年続いていた。
いくら頑張っても、頑張りを認めて欲しい場(=演奏会)には来てくれないし。

「私だけが何も変わらない。皆は家族を作って、価値観を変えつつあるのに・・・・」

そんな気持ちで楽器を続けていても、真摯な気持ちで打ち込める気がしなかったし、
自分の中の最盛期はとっくの昔に終わっていて、あの頃の音の記憶がどんどん遠ざかるのが怖かった。


お休みの間、楽団の皆は最近私に訪れた春爛漫なウキウキイヴェントを謳歌してると誤解していたようだが、それは間違い。

仕事の合間を縫って、歯医者や整骨院に足繁く通い、何とか顎関節症を治すべくがんばったし
本職の方もそれはそれは忙しい毎日だったし
件の彼の人とは不幸があったりタイミングが合わなかったりと、思ったより会える日が少なかったりと

楽器のことを忘れて、何も考えないようにはしてた。楽譜も音源も敢えて触れなかった。

まぁいろいろあったけど、そろそろ戻らないといよいよ復帰できなくなるなぁと思い始めた3月末。
技術的にも、感情的にも不安はいっぱいだったけど、とりあえず恐る恐る練習場所に行ったら
会う人会う人「お!ミウラちゃんおかえりー!」と暖かい声をかけてくれた。

皆はこの3ヶ月間一所懸命に練習してて、私は未だに全然やる気が起きないのに、
こんな私に皆どうしてやさしいんだろう。

流石にここまでのブランクは過去に無い位だったので、久しぶりの練習後、体中がガタガタだったけど
不思議と気持ちは充実していた。


いつ楽器を辞めようか、いつまで頑張れるだろうか、という負の疑念はとりあえず保留にしておいて
とりあえずは出来る範囲で、出来るだけの事をやってみようという気になった。