昔の話


高校の同窓会から名簿作成の連絡が来た。
ちょっと前に、友人から自分が行方不明者リストに載っている事を知らされ、慌てて連絡先を通知した。
高校の時に住んでいた家は卒業間際に引っ越して、さらに就職で上京したから郵便物が返送されてしまっていたらしい。
高校の時の友達、後輩、先輩は部活関係が主だが、それ以外でも今でも連絡をとっている友人は多い。

そんな中、行方不明者リストに友達の名前を数名と、昔ずっと好きだった人の名前を見つけた。
今でも連絡が取れる友人にはその旨を連絡したら、反応はそれぞれ違っていて。
そのままでいいというOと慌てて連絡したがったT。
私だったら、行方不明者にずっと載ってるのは死んだ人みたいでなんかイヤだな。

昔好きだった人は、中学からずっと好きだった人で、確か大阪の大学に行ってたはず。
大学4年の時にTSUTAYAでバイトしてた時、夏休みにお客さんとしてやってきて物凄く緊張した。
一応覚えていてくれたらしく、ちょっとだけ近況を話して、それきり。

今頃どこで何してるんだろうと思うと、何だか切なくなった。
生きていてくれたら、それでいいかなとも思った。


そんな事を思っていたら、ちょっと前に縁が切れたある友人の事を思い出した。
離れていったと感じたのは、実は不慮の事故かなんかで、もしくは希死念慮が強い人だったから自ら命を絶ってしまったのかと急に心配になり、いろいろな手を使って現在の生死を確認したらやっぱり生きてた。

ホッとしたのと同時に、やっぱり自ら離れていったという事を再確認して落ち込んだ。
趣味も考えも全然合わない人だったけど、何かしら通じるものがあって、惹かれていた時期があった。
この人とは、きっと辿り着く未来は違う場所になるっていうのもわかってた。

「あんたが何してても構わないけど、元気でいてくれたらそれでいいんだよ。落ち込んで暗くなってるのはイヤなんだよ」って奴に言ったのは本心でもあるけれど、「無視したり全然構ってくれないのもイヤなんだって」と言ったのも本心。

2年前は依存されてた。
1年前は依存しつつあった。
それから、お互いが本来の場所に戻るかのように、離れていった。
理由は、よくわからない。
付き合っていたわけでもないから、言葉での契約も無かった。
その時は、来るべき時がきたんだと、自然な形で妙に納得したのを覚えている。


私は、ここで頑張ってるよ。
あんたは、あの時言ってた未来に近付けてるのかい?
まだ誰かに依存して生きてるんじゃないの?
私じゃない誰かが、力になってくれるならそれでいい。
さんざん酷い扱いを受けたりもしたけど、誰も助けてくれなくなったら私のところに帰って来てもいいけど・・・。

電話番号もメールアドレスも、全部消したけど、言ってやりたい事は今でも沢山有るし、やろうと思えば家に乗り込んでいく事だって出来る。
だけどしない。
しちゃいけないんだ。
そんな事を今でも思っている自分が、依存状態から抜け出せていないのだろう。


時々、ふと思い出す。それくらいで丁度いい存在。