雪と傘

私の生まれた場所は

とても寒い土地で

雪はとても身近な存在だった

冷たいけれど
暖かい

肩に積もっても
全然濡れない

綿飴みたいにやわらかだった


大人になって

遠く
遠い土地へ
来てしまって


あの頃の雪にはもう会えない


三月だというのに
傘で避ける日々が続く


雨の日はキライって言った私に

キミは雨の良さを語ってくれた


今度は

私が

雪のステキさを
語れる日がくるんだろうか


キミがくれた
傘は

とても大きいから

今日も私は
雨でも濡れない