昔好きだった人

何気なく、ふと思い出す人がいる

酷い扱いを受けたけれど、私にとっては忘れられない人

今の幸せにつながる扉を開けてくれた人

お礼も言えないまま、会えなくなってかれこれ3年くらい経つだろうか



シニカルで、はっきりいって性格が悪い

正直、顔も服とか音楽のセンスも全然好きじゃなかった

だけど、

世の中に対する斜め目線の角度がとても私と近しい感覚

虚勢を張りながらも、ヤツの書いた詩や小説の中にどうしようもない弱さを見つけてしまった

世話を焼かずにはいられなくなった


今思えば、多分男女間の恋愛云々ではなくて

つまりは母心

私の中の母性が目覚めてしまって、どーにかしてあげたい一心で

関わりを持とうとしていたんだっけ


ここのところ、自分のことで手一杯で

しばらく忘れていたけれど、ふと思い出してしまった


連絡先は消してしまったけれど、ネット上の書庫のアドレスは消せないままで

ちょっぴりの興味本位と

昔より幸せな文章が書けていればいいなという気持ちで

覗いてしまった



本心からの言葉かどうかわからないけれど

直近の作品は相変わらず暗く黒く重いもので

やっぱり読後感が悪かった


今となってはもう世話を焼くことも叶わないけれど

出来ることなら

私のようなお節介が隣にいてくれたらと

心から願う