七の月に願うこと


夏が嫌いなので、夏に記念日を作った
一年一年の轍を確かめて、お祝いできるように


そういえば、七の月は誰かさんの誕生日だったっけ
そう遠い昔でもないけど、今となっては何日だったか思い出せないなぁ


毎年お祝いしてたのにね
毎週のように会ってたのにね


今頃どうしているのかなぁとかは
前ほどは思わなくなってきたよ


それでも

それでも


ふとした瞬間に脳裏に過るのは
仕方ないよと思うようにしている


一緒に観に行ったあのアーティスト、久しぶりに新譜が出てたよ
とか
またバゲットレバーペーストとワインを持ってピクニックに行こうとか
とか
ワンマン決まったから一緒に予約とろっか
とか


わたしの他愛もない思いつきを
仕方ないねと苦笑いしながら叶えてくれた
シニカルで美しいあの人が
いつも一緒だったから


仕方ないよ
仕方ないよね


遅く来たわたしの青春を彩った
恋人でも、兄弟でもなかったあの美しい人


世界が終わるまでに
もう一度だけ会って話をしたいというのは
赦されない事なんだろうか


願わくば
あの頃みたいに
わたしたちを取り巻いた
素敵な仲間と
素晴らしい音楽と一緒に